このカテゴリーでご紹介するのは樽熟成を行わないブランデーです。このブランデーに総称出来る名前はありません。日本等では通称としてフルーツブランデーと呼んだりするケースもありますが、ブランデーの原料はフルーツに限られているのでおかしな名前だと言わざるを得ません。

　主に西欧ではオードヴィまたはアクアヴィテと呼ぶケースが多いみたいです。東欧ではラキヤ、ラキア、ラキウですが、ハンガリーではパーリンカとしてこのスタイルのブランド名があります。またサクランボを原料とするとキルシュヴァイザー、スモモの仲間であるダムソンプラムだとスリヴォヴィッツ等原料の違いで名前を付ける方法もあります。イストリア半島では葡萄が主で、トラパやグラッパ等と呼ばれています。葡萄由来であればペルーのピスコ地方で生まれたピスコがあります。葡萄の搾り汁を使うイタリアのグラッパやフランスのマールといったポマースブランデーも広義の意味では同じカテゴリーですが、昨今の傾向として樽熟成が行われている場合もあるため、またグラッパは1つのカテゴリーとして取り扱っていますので外しました。

　樽由来の香りや味わいがないとアルコールをきつく感じられるとも言えますが、上手にフルーツのアロマを引き出し閉じ込めた良質なものであれば、原料由来の甘味や酸味がクリアな味わいと共に楽しめます。